NPO法人代表の"未来は僕らの手の中"

"音楽×福祉"NPO法人の代表が日々のあれこれを日記みたいにゆるーく書いていくブログです。

エルビス(仮)

今回は仕事仲間って感じの話です(^^)

やっぱりいろんな人と出会うことで、それまで全く予想していなかった自分に変わったり、意外なタイミングで気づかされたり、思い出したり。とにかく、出会うことが大切だと思う、たぶん…。

 

【目次】

 

パーティー

この職場でも、いろんな仲間に出会えました。

「福祉の就職フェア」で出会った男性を除くと入職した時点で働いておられた方々は少し上の世代。施設の設立から考えるとちょうど安定期に入るかなくらいの状況だったのでしょうか。安定期の組織ってよくも悪くもいろんなことがある程度出来上がっています。

石が岩になりプライドが出来上がる一方で、風通しがあまりよくなくなり、新しい価値観を受け容れにくくなる可能性もある。

物事や状況は常に変わるものなので、個人的には新しい価値観や物の見方はどんどん取り入れるべきだと思ってます。それと古き良きが混じり合うことで新しいモノができるのではないでしょーか?まぁ、同じような所をグルグル回るのは嫌いですね〜。…飽きっぽい性格というのもあるのでしょうけど💦

何より、そのほうが絶対おもしろいと思うので(私の場合は)。 

そういう点では、比較的職員の出入りが激しい職場でしたのである意味新しさはあったのでしょう。

そんな中、ちょくちょく登場するメガネ男子と私のちょっと後に入ってきた事務職員の男子が歳も近くて、話や考えも近かったので、よくつるんでました。

その後に入ってこられた事務さんでサバサバして芯の通った姉御肌の方にもいろいろお世話になりましたね~。

 

そのメンツで、交代で年に数回ある「福祉の就職フェア」によく行かせていただきました。

私もそこでこの職場と出会いましたので(^^)

おもしろいもんで、前は”職を探す側”だったのが、今度は”人材を探す側”になるわけです。視点が違えば、同じ場所に行っても見え方が変わっておもしろかったし、人に声をかけて自分らのブースまで案内する難しさと楽しさを味わえました。最初は何から話そうか?とか、どこまでで引き下がるか?とかいろいろ考えながら、人を見ながら声のかけ方やタイミングをはかってました。

新卒組の人、転職組の人、復職組の人。見つけたい職場を絞ってきている人、できるだけたくさんのブースを見たい人、福祉の仕事をしたいけど何が何やら分からない人、いろんな事業所のパンフレット収集が趣味っぽい人…。

声をかけてほしそうにしている人もいれば、声をかけてほしくなさそうな人、とにかく人の観察という練習でした。

ある時のフェアで、私の所属している部署の一つの「居宅介護支援」のケアマネさんを見つけるというミッションがありました。

”介護職員ではなくケアマネ系を目指してそうな人”を探します。

その中で直観でピンときた人がいて、一緒に行ったみんなにも聞いてみたら、同じだったので「よっしゃ、あの人行ってみよか」と声をかけてみます。

まさかのビンゴ!職種も勤務希望場所もドンピシャだったのです!

我々めっちゃテンション上がりましたね(笑)

そしてその人も仲間に入ることに。私と同じケアマネだったので、まぁ、初の同職種の後輩ができるわけです。その頃の私はと言いますと、前回にチラッと書いたようにケアマネ、デイサービス相談員、施設ケアマネと三足のワラジをはいていたので、その人には私宛の電話の要件を聞いてもらったり、調べ物とか書類準備してもらったり、来客対応してもらったりと申し訳ないくらいサポートしてもらってました。

しかも全てがさりげなく、それでいて確実。

自分の仕事もある中でめちゃめちゃお世話になりました。

信頼できる相棒です(^^)

その人も含め数人でよく遊ぶようになったり、互いに仕事における悩みとかも打ち明けたり。まさにパーティー(仲間のほう)だったと私は思ってます。

しばらくして、それぞれがそれぞれの道へと進んでいくわけですが、なかなか濃い時期でした。とりわけ私と眼鏡男子と事務男子は正直ヤンチャなくらい残業しまくりでした。深夜をまたぐこともよくありましたが、そこでいろんな夢を語り合ったり、事務所のおやつを無断で食べつくしたりもしちゃって…。三羽ガラスとでも言いましょうか。

私にとっては新たなアイデアがひらめく時間だったし、それに対するアドバイスももらったり、とにかく楽しかったですね。あの時間があったからこそ、今の自分に行きつくわけですから。

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アートな人

デイサービスで前の主任さんが退職され、まさかの主任になってしまうわけです。

そこもかなり人の出入りが激しかったですね。ケアマネでは上司と、先に話した相棒の3人だったので、何ごとも比較的スムーズに動けるのですが、デイサービスとなると別格なわけです。前職のデイサービスとは環境面、利用者さんのニーズ、施設の考え方も違うので、同じようにはいきません。

上とかけあってもことごとく「NO」が返って来ることが多く、たびたび言い合いになることもありました💦言うことをなかなか聞かないので、ついには主任→副主任に降格。

それでもできる限り今の状況を変えていきたい、もっと来ている人が楽しめる場所になりたいと思ってできそうなことは色々とチャレンジしてました。その時々の働いてたスタッフさんにはすごく協力してもらいましたし、サポートしてもらいました。

日々の業務はもちろんですが、スタッフさん一人ひとりの得意分野や好きなことをどうにか活かせないかといろいろと試していたのですが、ある時期に働いていたスタッフさんで、一風変わった人がいました。初めて合ったようなタイプの人。なんてゆーか、独特の世界観を持ってて他と交わるのは得意な人ではなかったですが、抜群の芸術センスと利用者さんを見ている視点が他の人と違うなぁって。その人がいる時期は、芸術系を活かしたアクティビティ(レクリエーション)が主になりました。

なんとなく適当にやるのではなく、細部にまでこだわる姿勢はすごい。事前にいろんなサンプル作ってきてくれたり、利用者さん一人ひとりの特徴を捉えて誰に何をしてもらうか、材料などの段取りなど多岐に渡って活躍してくれました。その時期のデイの作品はかなり本格的で完成度も高かった。

自分の下の人がそれだけいろいろやってくれてるんで、仮にも立場が上な自分がそれ以上にがんばらないでどうするねんと思いながらやってました。

そして、それを市立図書館に展示させてもらうということにもなりましたからね。

一見すると難しそうなことも、それぞれの得意なことを組み合わせることで「自分にもできる」という達成感と自信を味わってもらうことができていました。実は、それって今の仕事にも通じてて、めちゃめちゃヒントもらえたんですよね~、本人には言ってないけど(^^)

何を隠そう、今の事業所の看板、その人が「お祝い」って作ってくれたので!!

 

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向き合う時期

話をケアマネ業務に戻します。訪問という業務の中でいろんな自宅へ行くわけですが、ケアマネというのは本人のことはもちろん、生活環境を把握するのも大事なこと。住空間、家庭内の介護力、金銭面など…。トータルしてその人の生活に必要なサポートが何かを考えるわけです。田舎ということもあり、やはり最も多いのが家族の介護力です。高齢者夫婦世帯、その中でもご家族が近隣にいる方もいれば、遠方でなかなか来れないという方もいます。子や孫が同居世帯もありますが、その中でも家族状況は色々ある。

担当している数件の家であることに気が付くのです。

それは、同居家族が何らかの障害を持っているということ。話をしているとかみ合わないなぁと感じる家族さんがいたりしました。担当している利用者さん自身が何らかの障害を持たれていたり、夫婦ともに障害を持った高齢者だったり。

ある家庭では、母息子2人でその息子さんが知的障害を持っていたり、自閉症(当時はよく分かりませんでした)で長らく家から出ていなかったり。またある家では、介護をしているうちに疲れと先の見通しから鬱になって通院しているとかもありました…。

ある家族さんは事務所に電話をかけてくれても、ある時はめちゃくちゃ上機嫌で笑って話してくれるのですが、ある時は怒った口調で厳しい言葉を出されたり、事実ではない話をされたり…。訪問しても独り言だったり、鳴ってもいない電話のような会話をしていたりと、私自身何が起きているのか検討がつかなかったのですが、よくよく聞くと統合失調症を発症していたとか。

これまで私の経験してきたことや、覚えてきたことが到底通用しない場面が出てき始めました。地域包括支援センター(その地域全体の福祉の相談窓口)やエリアの健康福祉事務所の専門職と連携することもしばしば。お年寄りの在宅生活をとりまく環境を守るために、単に介護保険サービスだけで間に合わない、もっと深い部分が見えてくるわけですね。

私の中で少しずつ”障害福祉”というものに目を向けずにはいられない状況になってきました。しかし、同じ「福祉」なのに全くもって障害福祉のことは分からない。

いろいろと整理をしていく中で「あれ?お母さん(お父さん)が亡くなったら、この人達はどうするんやろう?こんな場合はどこに相談したらいいんやろう?てゆーか、障害福祉ってどういう機関があって、どんなサポートがあるんやろ?

…情けないながらそんな程度でした。

それから、いろんな人をたどって障害福祉サービスってのを教えてもらうようになるわけですね。

 最初は、あくまで”自分の担当しているお年寄りの在宅生活継続のために”なわけですが。

知らない世界、知ろうとしてこなかった世界。

これまでの福祉のキャリアの中で、分かっていながらも自分には難しい分野だと決めつけて目を逸らしていた分野でした。

ついに目の前に出てきたものですから、逃げるわけにはいかなくなったのでしょう。

でも不思議と違和感なく自分の中に入ってきたという感覚でもありました。

そして、2人のカラスに打ち明けます。

「やりたいことができた」と。

 

無法者が昨日 運命蹴飛ばした

何もかもがすべて 変わってゆくのなら

 

裏切りの城から 秘密が逃げてゆく

千里を走ってく 雨の馬に乗って

 

ゆがんだ唇エルビス

ひずんだブルースを歌えば

 

価値も分からない 手から手へわたり

ホコリをかぶっている 宝物

 

今だけ 今だけ 今だけ 今だけ

 

惑星が燃え尽き 人として笑顔で

お別れの時間だ 沈んでゆく朝日

 

ゆがんだ唇エルビス

ひずんだブルースを歌えば

 

価値も分からない 手から手へわたり

ホコリをかぶっている 宝物

  (エルビス(仮)/ザ・クロマニヨンズ)

 

というわけで、次回いよいよ次への扉が開くわけです。今回もありがとうございました😊