NPO法人代表の"未来は僕らの手の中"

"音楽×福祉"NPO法人の代表が日々のあれこれを日記みたいにゆるーく書いていくブログです。

紙飛行機

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さてさて、転職が決まってからのお話でございます。

いよいよケアマネの仕事…??

いろいろありましたよ、イロイロ。でも、この時期の経験と出会いから今の事業に至るという感じです(^^)

 

【目次】

 

田んぼは続くよ、どこまでも…

さて、加西市というところは想像以上に田んぼでした。父の生家が加西でしたが、行ったことはありませんでした。風景的にはのどかのどか。空気は綺麗ですし、匂いもこれまでの神戸に比べて純度が高いと言いますか、本当に季節を匂いで感じることができるような場所。田舎のイメージそのまんまです。

そんな田んぼの真ん中にあるケアハウス。

ケアハウスとは、軽費老人ホームと言って、65歳以上の方であれば基本的な条件(面談、金銭面など)があえば入居できる施設。食事も出るし、お風呂も入れます。ただし、施設の介護サービスは原則使えませんので、もし自分で身の回りのことが難しくなればホームヘルパーやデイサービスなど外部の介護サービスを使います。それでも追い付かない、昼夜通して介護が必要になれば特定施設入居者生活介護という24時間の施設サービスへの切り替えもできます(すいません、ザックリした説明で)。

この施設は、さらにデイサービス、居宅介護支援センター(ケアマネ)を併設しており、私はこのたびはケアマネとして居宅介護支援センターにお世話になるべく門を叩くのです。

面接の前に書類を出しに行くわけですが、第一印象としては、「じめ〜っとした暗い雰囲気」でした。

活気がないというか、何かが足りない感じ。職員さんも、一部を除いては外部に対して距離をとっている、「誰やこいつ?」みたいな表情してる人も。まぁ、いきなり見知らぬ男が来るわけですから、いた仕方ないかもですね。

正直、「あれ??」という感じでしたが、「田舎の人独特の奥ゆかしさみたいなもんやろうか?」と思うことにしました。

でも、思い出しました。前の前の施設も根っこの部分では同じだったのだと。

失礼を承知で言いますと、施設というのはその中でいろんなことが完結してしまってて外に目を向けていない傾向があるのかな?必要性がないのかもしれませんね。そこだけの世界観というか、井戸の中の蛙状態。それが悪いわけではありませんが、私が福祉の仕事に対するなんかモヤモヤしてるものって、たぶんそれなんですよね。

良くも悪くも一歩入った時点でそれが確信に変わったのかも。なぜか、その雰囲気を少しでも変えてやろうと逆に燃えましたけどね。

そんなことを思いながら、面接会場で待たせてもらいます。面接の時間になると、面接官が入ってきます。1,2,3,4,5…9!?

なんと!まさかの9対1です!!

さすがに予想外でした。施設長、事務長、全体の主任、事務主任、各部署の主任・副主任、とまぁ、施設の顔役であろう方々が勢ぞろい。

驚きつつも、それだけいろんな目で判断されるのだなと。いろいろと質問をされるわけですね。動機か何かの質問で最初は「ここでずっとがんばります(自分に合ってたら)」的な半分お世辞的なことを言おうと思ってたのですが、

先々自分で何かをしたいと思っているので、ずっといるつもりはありません。そのためにもいろんなことを見て、もっと自分自身が成長できるよう、たくさん経験したいと思って転職しました」みたいな、調子乗り発言をしました。この頃は、もうそう思っていたので、「言ってしまえ」と。もしそれで不採用ならそれでもいいくらいの気持ちで。(あ、もちろん仕事に手を抜くとかではないです)

で、まぁ採用されることに(^^)そして、2月からスタートするわけです。新しい仕事内容にわくわくしながら1月を過ごすのです。

 

ケアマネ+デイサービス相談員+施設ケアマネ=身体がもう一つ欲しい

初日、オリエンテーションを受け辞令を交付されるわけですが、そこには…

介護支援センター、デイサービス、特定施設入居者生活介護という3つの部門への配属が書かれていたので「???」です。

いやいや、ケアマネでしょ?と思っていたのですが、「いろんなことを経験したい」と言ってたことと、経験からそう汲んでいただいて!?、まさかの3足のワラジ💦

まぁ、これもいい経験やし、やってやろうみたいな意気込みでしたが、予想以上にハードな毎日になるわけですね。当時の私を知る人は頷くと思うのですが、シフト、おもしろいですよ。いろんなところに名前がありましたから。

しかも、1日の中で時間ごとに部署をまたぐというね。事業所内フレックスみたいな感じでしたね。慣れるまでは自分が今は何者なのか、どこにいないといけないのか分からなくなったり(^^)もちろん、場所によって役割が違うわけなので、切り替えなければいけないという。業務的にきりがいいタイミングと時間で区切るタイミングが、これまた絶妙に難しかったりします💦「あと15分欲しい!」みたいなね。

特にケアマネとしての仕事が回り出した時って他の業務しながらも外部から電話がかかってきたり、来客対応したりスイッチの切り替えと情報の整理が追いつかなくなったりも…。

とにかく、ビックリするくらい刺激的な日々が待っていたのです。たぶん、その事業所の中でも忙しさにおいてはかなり上位にランクインしてたかもですねー✨

おかげでかなりタフにはなりました!…ってことにしときましょ。

まずはケアマネの業務をなんとなく教えてもらいます。神戸のデイサービス時代に、何となくの業務は見聞きしていました。ケアマネとは何ぞや?を一応説明しときます。(多少、個人的な見解もあります)

要はケアマネとは介護保険サービスを使いたい人、使う必要がある人、いずれ必要になる人やそのご家族の相談窓口的みたいなもの。そして、それに伴う情報収集/情報提供であったり、各種手続きの代行やサービス事業者(デイサービス、ヘルパー、福祉用具ショートステイなど)の紹介や、使っているサービスがその人の保険内でまかなえているかなどの調整、プランニングを元にした毎月のスケジュールの管理が主なお仕事です。

広い守備範囲でその人をとりまく環境を整理しながら在宅生活を続けるためにはどうやっていくか?”を一緒に考え、作っていくのが役割です…と思っています。

そのためには、知識を始め制度のこととか、どれだけいろんな引き出しがあるか、どれだけいろんな人とつながってるかで変わると思います。むしろ、それが90%くらい大事かも。

となると、やはり以前のデイサービス相談員という役割よりも、いろんなことを知らないといけないし、いろんな人と関わることが必要。

そう思ってたので、私にとっては楽しみでした。

上司に連れられていろんな事業所さんにあいさつに行くわけです。当時はまだ20代後半ということもあり、自分で言うのもなんですが、そこそこ掴みはOKだったようです。

私もなんでも早いうちが、若いうちがいいと思っている人間なのですが、まず一つとして、そのほうが周りの目を引くから覚えてもらいやすいし、新鮮な目のほうが新しい角度から物事を見れるんじゃないかというのがあったりします。

経験豊富な熟練者がそれ相応のポジションでってのは、「うん、まぁそうやろうな」と思われがちですし、その世界が長ければ長いほど良くも悪くも知ってしまうから、いろんなことを経験則で判断してしまう。なんでもやる前から判断してしまって結果リスクをとってやらないというのを選択してしまうのかもしれません。もちろん、それはそれで良いことなんですが、私はそれはおもしろくないなと思うので。

右も左も知らないならではの価値観とか感覚って、先入観がないから意外とおもしろいし、いろんな失敗を、たくさん重ねられるし。それに教えてもらったことを消化するのも早い気がするんです。実際、外部の事業所さんには、お世話になりっぱなしでした(^^)

いろんなケースで助けられたエピソードあり、そのあたりはまた次回に♪

 

デイサービスについては、正直なところ前の職場で相方とやってきたこととかなり違ってて、これはいかんみたいな感じに思っちゃいました。所変わればお年寄りのニーズも違うし、スタッフさんの価値観も違うから、それが正しかったのかもしれませんが…。昔ながらのイメージのまま過ぎて「え?今更そんな感じ?」ってのが初年度の感想。デイサービスでやってきたという自信から、どこか奢っていた部分は否めません…。人間、そこですよね。謙虚が一番ですね(^^)

まぁ、2年目、3年目になって人も入れ替わり、おもしろいスタッフとの出会いで変わってきたとこもありますが、それはまたデイサービスの章で書きたいと思います。

 

シッパイマン

一年目は、とにかく失敗しまくりでした(^^)

最初にやらかしたのは、担当したお年寄りの手続きで抜けてた書類があり、お金面でのトラブルという…。今でも鮮明に覚えてます。

介護保険サービスを利用すると、原則はその1割(この3年後からは2割の人も)を自己負担し、残り9割は介護保険から出る仕組みなんですが、それには最初にいくつかの書類を市町村に出すんですね。もちろん、それもケアマネの仕事です。

ややこしいのは、介護認定が出る前に先にサービスを使う場合。認定が出てからが原則なんですが、役所も忙しく半月〜1ヶ月以上遅れることもザラ。相手はお年寄りです。

そこまで待てないケースも当然あり、見切りスタートもやむを得ない状況。しかし、認定が出たら役所に、"この人ケアマネつきました!サービス開始します"みたいな届けを出すんです。

人のせいにしちゃうとアレですが、そのこと聞いてなかったんですね。

で、まぁ、役所から問い合わせが来る。しかも、その人は住所地が他市だったもんやから、段取りが違うわけでして💦

つまり、届けをせずにサービスを使ってるという形になっちゃったんです。

役所から、一旦は10割分を支払ってもらい、後から9割分が返金になると。

本来なら介護サービス利用料として、実費負担が2万円ほどで済むところが、20万をこえる支払い…当然、ご家族はお怒りです。

請求書片手にめちゃくちゃ怒られました。そりゃそうですよね。で、その対応を自分でしなさいと。本人、家族、そしてサービス事業所にも謝罪と説明。しかしながら、まだまだ仕組みを理解してないままでの説明ですから、何を言ってるのかもサッパリ分からず。

あれは嫌でしたね〜。それ以来、必ず最初に確認するようになりました(^^)

他にも訪問の約束を忘れたり、時間が何軒かカブってしまいバタバタしたり。

とにかくシッパイマンです。めっちゃ怒られまくりでした。一年目は、そんな感じで過ぎていきました。慣れていくと思いきや、ますます忙しくなってくるわけです✨

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*のどかな田園風景、空気はうまい!

 

紙飛行機

とまあ、いよいよスタートしました第3章✨

都会の事情を知り、田舎の事情も知る。

もしかしたら、今の事業所を明石でやってるのは、そのどちらもを見た上で、ちょうどその間ってのもあるのかもしれませんね。

とにもかくにも、あっとゆーまの1年。2年目からじわじわとおもしろくなるわけでございます。説明くさい内容になっちゃいましたがあしからず❕

とにかく、新しいトコへ飛び出したのです(^^)

 

団地の窓から 飛べ紙飛行機

メロン色若い空を 突きぬけてゆけ

 

夢の中でした 待ち合わせは今日

風にのりすきとおるよ ビー玉

 

グルグル回って 少しガマンして

忘れたフリをして 君の窓辺へ

 

揺れて乱れて紙飛行機

スーイ スーイ スーララ スイスララ

 

今日走ってゆく 今走ってゆく

明日とかわからないし 別にいい

 

よじれてねじれて 急旋回して

おつぎは急降下 君の窓辺へ

 

揺れて乱れて紙飛行機

スーイ スーイ スーララ スイスララ

(紙飛行機/ザ・クロマニヨンズ)

 

今回もありがとうございました😊