NPO法人代表の"未来は僕らの手の中"

"音楽×福祉"NPO法人の代表が日々のあれこれを日記みたいにゆるーく書いていくブログです。

相談天国

さて、今日は実際にデイでやってきたこと、学んだことを書いてみようかな。

 

【目次】

 

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貯金と引き出し

私達のデイサービスのエリアは神戸でも東側の灘区です。区内だけでも大小かなりの事業所さんがありました。朝と夕方の送迎で市内を走っていても、10カ所以上の送迎車とすれ違ったものです。ウチは施設に併設された事業所さんや、大企業が経営している事業所さんに比べて、物量では勝てない事業所(→失礼発言!?)と、働きだした頃は感じてました。「前の施設にあったあれがない、これもない。」と思っていましたねぇ。

ない”なら、”ない”なりにできることを見つけたらいいだけなんですが、それまでの施設では考える前にモノがあったという恵まれた??環境だっただけに💦

とゆーか、ここに来るまでデイサービス自体、学生時代の実習や前の職場で見てたようなボヤっとしたイメージしかなく、どういうものなのかを知ろうともしなかったんで。

そもそもウチのデイサービスは…というかデイサービスって、デイケアみたいにリハビリ専門ってのではなくて、どちらかというと、「〇〇することが結果的にリハビリにつながってる」的な感じ。

たとえば、カラオケであれば楽しんで歌うことで、いろんな人と触れ合う交流の時間であり、マイクを持つという手のリハビリの時間でもあり、画面の文字を見るという目の運動でもあり、音を聞くという耳の運動??でもあり、声を出すという嚥下訓練(飲み込む動作)になってます。

でも大事なのは「本人が楽しむ」ということ。

そしたら、いつしか気持ちが変わり意欲的になったりするんですよね。

よく「はよ死にたいわ」と言うお年寄りを見てきました。その真意って、100%まではいかないとしても、90%くらいは「楽しいことがない。死にたくなるほど退屈だ」だったり。

もちろん、歳をとると体の機能は低下していくものなので誰でもできてたことができなくなっていきます。そんなはがゆさと闘っているのは間違いないけど、それ以上に退屈なんですよね。少なくとも私が100人以上のお年寄りと出会って見聞きしてきた感じではそう感じました。

じゃあ、今の自分でも楽しめることって何やろうか?

そこを一緒に考えていくのがデイサービスの仕事であり意義なんかもなと思います。

やっぱりいくつになっても人間はわくわくしたいものですから(^^)

でも楽しみって人それぞれですし、来てる人全員が同じことして楽しめるなんてことはあり得ないですね。デイサービスに来る目的も人それぞれ違うので。さっき言ったカラオケにしても嫌いな人もいるわけですよね、静かにしたいんやって人。

「みんな一緒に」って、一見いいように聞こえるけど昔から私はあまり好きではないですね。

もちろん、集団で過ごすからにはある程度のルールは必要ですけど、全部にあてはめようとするのはダメかな。でも、実際そういう場所もまだまだあるんでしょうけどね…。

誰が何に興味があって何が嫌いなのかは関わっていかないと、よく観ていないと分かりません。ここでもやはり大切なのは情報収集、つまりコミュニケーションってこと。

どの場所で何をするか、そして誰をどこに席に招くか、誰と誰が一緒がいい雰囲気か、浮いてる人はいないか、とにかく目配り気配り心配りってやつです。あと、さりげなく。

実際、相手も自分も生きているわけなんで、常に状況は変わります。昨日の正解と今日の正解が180度違うこともザラです。

教科書どおりではないですからね。

となると、引き出しを増やさなければならないですね。

よく社長は「知識の貯金を知恵で引き出せ」と言われていました。

いくら勉強して知識を詰め込んでも、それだけではまだ意味を成さない。知識という氷を知恵で水に変える柔軟さが求められるんですね。

確かに、貯金してても何かを手に入れるためには使いますもんね。引き出して使ってこそです‼️(ちなみに、貯金は昔から苦手であると何かに使い切るタイプでした💦)

どちらも自分の財産に違いないんですけどね(^^)

視点をちょっと変えてみたら可能性だらけなわけです。まさに、"好きなように"作らせていただけたんですね。

もう知恵で勝負みたいな感じでああしよう、こうしような毎日でした。少なくとも、来てくれてる人ら全員、一日一回は笑顔にしようって思いながらやってました。

 

自分達の武器とはなんぞや?

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小さい事業所だからできること…。

相方と毎日相談し合いました。仕事が終わってから、居酒屋やカフェやラーメン屋さんで。

できることってたくさんあると思うけど、自分らやからできることで何が一番かって、やはり柔軟な対応ができることちゃうかと。

それを最大限発揮させていこう。

テーマは、個人を可能な限り尊重しながら限られたスペース、限られた人数で限られた時間をやりくりする。

ある時は将棋や囲碁の相手になったり、麻雀のメンツに入ったり、カ体を動かすゲームのリーダーになったりもしました。

たくさんいる中で全てに関わるのは無理ですが、最初から最後まで同じ場にいる必要はないんですよね。私達がするべきことは、何かが成立する状況ときっかけを作り。状況とは、どんなことをどこでするか、何人必要か。そこに誰と誰を引き合わせるか。きっかけは、相手をその気にさせる雰囲気作りと話術(^^)

そこを押さえておいたら、後はそれぞれで始まるので手が必要なとこに回ればよい。

5W2Hって聞いたことあるかなと思うけど

When(いつ)

Where(どこで)

Who(誰が)

What(何を)

How(どうする)

Why(なぜ)

How Much/How Many(いくら、いくつ)

ってやつです。

まさにそれでした✨

趣味や好きなことがある人、自分で伝えるのが得意な人はいいんですが、なかなか人と交われないというか、興味が持てるものが見つからない人、人前で恥ずかしいって人もいるわけです。そーゆー時はしっかり話しました。まずは信用してもらうとこからですから、いろんな話をそれぞれとしていき、興味を持ちそうな話題は全てチェックしとく。

そして私と相方が目をつけたのは外出でした。

みなさん、話してると「若い頃は◯◯によう行ったわ。もう何十年も行ってないけどなぁ。もう行くこともないやろなぁ。」ってのをよく聞いたのです。

ご主人や奥さんと行った、子供と行った、孫と行ったとか。そーゆー話、大切な思い出話をしてる時って、やっぱりいい顔してる。でも、その言葉の裏側には、「行けるなら行きたいけど一人じゃ行かれんし誰も連れてってくれへん」という本音と諦め。

多くのお年寄りが持つ悩み、そしてそこから来る気力の低下→身体機能の低下に繋がってしまうんだと思います。

「よし、じゃあそこ行ってみようや!」ってのが、私達の取るべき行動だと。

一人ひとりの思い出の場なんですが、けっこうみなさん共通してたりするんですよね(^^)

じゃあ、何人かで行こう♪

一人の夢を叶えようってのが始まりでスタートしたドライブ。

徐々にみんなの行きたいところが増えていったり、場所を提案してくれたり、最初は行きたがらない人も行くようになったり。いつしか名物みたいになってましたね。

とにかく行きました。小さい公園から大きい公園、六甲山、空港、神社仏閣、近所の商店街、デパート、新しい場所や古くからある場所、東は尼崎、伊丹、西は明石海峡大橋

そしたら、目に見えて変化が起きてきました。

部屋の中では喋るきっかけがなかった人同士が、車の席が一緒になって共通の話題ができたり、行きたい場所を提案してくれるようになったり、外出のためにお化粧バッチリ、オシャレしてきてくれたり、場所によって歩くから足が前より動くようになったり。そしたら、自然と表情が柔らかくなってるんですよね。表情の変化心の変化が見てとれる。

外出にはリスクはあります。そこは仕事として当然おさえとくことですから、事業所からの距離、移動時間、屋根のあるなし、トイレの状況、駐車場の料金、駐車場から現地までの移動距離、足元の状況、イベントのスケジュール、当日の天気。だから下調べは入念に(^^)送迎のあとや仕事上がりによく見に行きましたね。

いやぁ、探せばあるある。一年通して行く場所がありましたね〜。

ちなみに、一回、実際に行った場所をリストにしてみたら190箇所くらいありました。

それは置いといてそれ以上にメリットがある。

春は暖かさ、夏は暑さ、秋は色づき、冬は寒さと春夏秋冬を感じれること。

やっぱり季節の変化は、外に行って空気を感じて初めて実感できるんです。

そして、時代の変化

変わらない街並みと、今の街並み、そのどちらもを見て、触れて時代を感じてもらう。昔の良さ、今の良さ。とりわけ、神戸はそれが同居してる場所ですからね(^^)私達にも新しい発見の連続✨そして地域の人、家族以外の人、外部の空気に触れることでの気持ちの変化。地域の人とのつながり、やっぱりこれが一番デカい!

特に心に残ったのは、甲子園かな。あの大歓声と応援のメガホン、人の多さが印象的だったみたい(^^)

足腰が弱くて普段、車椅子の人でも階段登るって言うて両脇かかえられながらやけど登ったり。で、そんな時は現地の若いバイトスタッフさん達もみんな親切にしてくれて。

まさにWIN WINやなぁと。

最初行った年はエレベーターとかなくて階段登るの必死でしたが、翌年リニューアルでエレベーターできてたし、車椅子の観覧席もできてたり。

「オレらが行くようになって作ってくれたりしてたらおもろいよな〜」と相方と笑ってました。そして春も夏も見に行くのは恒例になりました。

 

なんせ、手が届きそうで届かないところに届くようにってのが、私達の行動理念であり、前回にも書いた会社の理念

*利他業→相手にとって良いこと、他人のため

     のお役立ち

*同時→同じ高さ、目線で初めて手は鳴る

*和顔愛語→優しい表情と優しい言葉かけ

*布施→自分の持っている技術を施す

 

なんだと思います。

結果、ケアマネさんや利用問い合わせでも話題になってましたし、自分らが気付かないうちにすごい武器になってました。

たぶん顧客満足に繋がってたんちゃうかなぁ♪

とにかく、これをきっかけに躍進していきました。

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次へのステップ

福祉とか介護って、そこに気付いて目を向けれるかどうかで全てが決まるのかもしれませんね。そして、それを解決するのは必ずしもモノとは限りません。志をともにする仲間と相談することで、一人ならできないこともできたりする。切磋琢磨できる相方と巡り合えたこともそうですし、考えたり、知恵を絞るってこともするようになれたし、何より自分達が「これや!」と決めてやったことに結果がついてくるということを経験できました。

私にとって、この頃の経験が人生の中でのかなりのターニングポイントだったのは間違いないです。

そして、また自分の中で新しい目標ができてくるのですが、なんせ社長の人材育成が今の私の基になってるかなと思います。

 

アクセル踏んでGO GO GO

バナナを食ってGO GO GO

雨はもう止んだ

 

手当たり次第GO GO GO

反省しないGO GO GO

まるで大笑い

 

相談、相談、相談、相談

相談しようそうしよう

相談しようそうしよう

 

スピード上げてGO GO GO

麦茶を飲んでGO GO GO

窓を開けるのだ

 

相談、相談、相談、相談

相談しようそうしよう

相談しようそうしよう

 

目が冴えてるぜGO GO GO

王手飛車取りGO GO GO

勝たせてもらうぜ

 

相談、相談、相談、相談

相談しようそうしよう

相談しようそうしよう

 (相談天国/ザ・ハイロウズ)

 

今回もありがとうございました😊