二匹のマシンガン
『背中を預ける』
自分の見えない背後をまかせられるということであり、ある意味「どうなっても構わない」という自分の覚悟…と捉えてます(^^)
自分にそう思わせる相手を思い浮かべてみてください。あいつかな?いや、こいつかな?それともそいつかな?
今でこそ仕事やいろんな場面で少しずつそう思えるようになりましたが、初めてその意味を理解できたのはいつだったっけ❓と。
今回は、そんな話…でしょうか??
19〜20歳頃のバンド活動の話。サイドストーリー編①
的な話です(^^)
【2匹のノラ】
高校までやってたバンドは、いろいろあって解散し、残ったのはベースと私だけ。2匹のノラになりました。しばらくは、お互いに専門学校やら大学やらの新しい環境で過ごしながら、私はまた別のバンドに誘われて入っていたのですが、しっくりこない感じで…。
プロを目指す!みたいな人達だったので、その姿勢はすごいと思うし、確かにいろんな面で凝っていました。何よりもバンド優先ってのも楽しかった。しかし、少しずつ私がやりたいような曲ではなくなっていき、ギターも難しいフレーズやリフ(つまりギターのメロディみたいなもんです)を頼まれ、やってはみるものの、自分の手癖や感覚と違うので、少しずつ楽しいと思えなくなってきました。
バンドあるあるですが(笑)、方向性の違いから辞めてしまいます。
それから「しばらくはバンドはいいかな」と思っていました。
楽しいはずのバンドを楽しくないと思ってしまったことがどうにも嫌で…。
気が向いた時にベース君と2人でセッションして遊ぶ程度。
"ギターが弾けたらそれでいいやん"
と思うようにしました。
でも、やっぱりやってると楽しくなってきちゃうんですよね♪
「ドラムに合わせたいなぁ」
「スタジオで音出したいなぁ」
「ライブがしたいなぁ」
ある時、「ちょっと聴いてか」
そう言うと作った曲を聴かせてもらったのですが、ベースとギターを自分で録音しており、弾いてみようにも難しい‼️でも、カッコイイ‼️
悔しかったです。私のツボを突きつつ私には絶対作れないような曲。音楽センスにおいては昔から信頼してますが、やっぱりスゲーなぁと、間違いないなと。
私は深く考えず直感で動くタイプで、そうなった時は周りをあまり見ないところがあるのに対してベース君はやると決めたら筋道を見通すのが早いし軸がぶれない人。
互いにガンコさという点では共通するものがありましたが、自分にないものをたくさん持った同士。そのくせ、ある点においてハマるツボが一緒ってのがおもしろい✨
曲を作ったり、バンドの何かを決める時、だいたい言い出しっぺは私ですが、ベース君はそれを操作するみたいな。
後々、よくバンドのメンバーに言われたのは
"私はアクセルで彼はハンドル"でした。
なので、「こいつが言うならば」とゆーのはあります。バンドにおいては
そーゆー時にこそ、ふいにチャンスは降ってくるもんなんですよね(^^)
それをチャンスと気付くか、気付かずにこぼしてしまうかで、後々大きく変わります。
【ノラノラノラ】
そんなこんなで専門時代後半の冬。クラスの友人にドラムの知り合いがいるからってことで紹介してもらうことに。
「え⁉️うそ⁉️マジで⁉️」
寒い日の真昼間に、三宮の生田神社で待ち合わせ。日曜で人が溢れてたんですが、神社入り口にある灯籠に、がっしりした体格で足を組んで、伸びかけ金髪のパーマ頭にサングラスしたヤツがタバコを吸っていました。
「うわぁ、絶対コイツやん。」
と思いながらベース君を見ると、ニコっとして
無言で「👍」されました。
違ったら悪いので、その隣に座ってチラチラ観察するウザいやつになってた二匹です。
ほどなくして友人が来まして、やっぱりコイツでした。しかし、タバコを消してサングラスを外した瞬間、意表をつかれたのです‼️
クリっとしたお目めに、にこやかスマイルで
「あ、どうも〜。ドラムの◯◯です。」と。
拍子抜けしました。
サワヤカすぎやし‼️
…その後、ウチのバンドでは彼の笑顔を「エンジェルスマイル」と呼ぶようになるのです。
とりあえず何の曲でセッションするかを話し合い、イエローモンキーの曲をやってみよかということになり、とりあえず10曲くらいを来週までにと決めてその日は終わり。
そして、1週間後、生田神社裏の東門街(飲み屋街)のスタジオ「アートハウス」でセッション。その一発目からやられました。
身体が飛ばされるようなバスドラム
頭を突き抜けるようなスネアドラム
心臓を刺すようなシンバル
ギターの音も、ベースの重低音も
ボーカルの声も、その場の空気も
一瞬でドラム色に変えられた
その時に「あ、こいつやな。」と…。
波長がガッチリ合わさった感じ。鳥肌が立ちました。
ちなみに私の覚えてる限りでは、鳥肌は天空の城ラピュタのシータ救出シーンで、ドーラが石をくらって失神しフラップターごと池に叩きつけられる瞬間のパズーの舵取りによる水しぶきと、「上がれーっ‼️」のところ(^^)
…です。
その後、時間いっぱい演奏する。よく楽器で会話するって言いますけど、本当にそんな感じでした。
その時には私の中では決まってました。
帰り際、ベース君に話しかけます。
「どう?」
「うん、いい✨」
ドラムとベースは、バンドではリズム隊と言います。バンドという木の根っこや、曲の骨格みたいなものです。その上に、私らギターやボーカルといった装飾品が乗っかってるのがバンドかな。私がどれだけ「スゲー」と思っても、ベース君が違うと感じたら一緒にはやらない。
で、まぁ、何回かスタジオで遊ぶようになり、焼鳥屋かどっかで本気でバンド組もうとお誘いしましたが、その時の彼には本命のバンドがあるらしく一度目はフラれました。
それから半年くらい経った頃に友人から彼が、フリーになったと聞きます。
「よし、本気で口説こう‼️」
とにかく、自分らの曲を聴いてもらって引き込んでやろうと、六甲道の私の狭いアパートで夜な夜な2人で曲作り&デモ音源録音。
8トラックのマルチレコーダーにギターとベースを入れていく。
もはやかなり旧式ですが今でも愛用(^^)
7曲できたタイミングで、エンジェルを我がアパートに呼んで聞かせます。
そして
「この曲のドラムをあなたが叩いてくれたら5倍くらいカッコよくなるから入ってくれ」
晴れてドラムの席が決まるのです。
【4匹で遊ぶ】
バンドの曲はFOO FIGHTERS、RANCIDとかTHE CLASH、THE DAMMED、U.K.SUBSみたいなロック、グランジ、パンクな感じでして、なんせ勢いをつけたいという思いがありました。そしたら次はバンド名を考えますが、なかなかしっくりくるのが浮かばず…。
とりあえず保留にして、曲作り→スタジオ→ミーティングの繰り返し。最初はスリーピースバンドでいく予定でしたが、それぞれ楽器に集中したいよなってなりやっぱりボーカルを入れようと。私の中のボーカル像は、「歌唱力はそこそこでも立ち姿とステージで負けない度胸を持ったヤツじゃないと」というのがあったので、パッと浮かんだのは高校からのベースと私の親友でしたが、正直なとこ最初は迷ってました。
彼とは、バンドは今まで一緒にしたことはなかったのですが、知りすぎてるので…。
あまりにも身近なヤツを入れるのは、最悪、友人関係が壊れる恐れがあったからです。
ベース君に相談を持ちかけますが。彼も一発OKではありませんでした。理由は同じ。
しかし、私の中ではこのバンドで勝負に出るつもりになってましたので、今の自分が思う一番の布陣だと話し最終的にOKもらいます。
バンドはやっぱりライブが一番だと思ってますので、ステージに立った時のイメージはかなり重要なのです、たぶん(^^)
うまくなくても、何かを感じさせるような、心底楽しんでるのがカッコイイロックバンドなんです✨
…ってね、自分の腕を棚に上げてそう思います、ハイ。
左からドラム、私、ベース、ボーカル
【THE BANK ROBBERS】
ある時、ウチでみんなで集まってるときに、ちょうど「THE CLASH」のBANK ROBBERいう曲が流れてたので、「もうこれでいく?」と言うと、「何が?」と。
いやいや、バンド名ですよ!と。
「じゃ、それでいいんじゃない?」
おぉ…以外とあっさり。
ちなみに意味は"銀行強盗"なんですが、別に深い意味はないけど私の中ではなんとなく
"THE"をつけたかっただけです(^^)
なんやかんやと私のイメージどおりの筋書きにみんなが乗ってくれてた気がします。
このバンドは、いわゆるリーダーは作らないというスタイルでいこうってことで決めました。
いつだったか、ベース君と話してた中で、
「これでよかったんかな?」
と聞いたことがありました。
「いいやろ。てか、どう言うても、そうするつもりやろ?好きにやっちゃおう」
じゃ、もう思うように走るだけです(^^)
夜の宝石を化石に変えて笑ってる
二匹のマシンガン
夢見心地のままでは夢は掴めない
二匹のマシンガン
今夜も流れるしっかり流れる
悪魔は叫ばないささやいているだけ
ただそっと一人ずつ一匹ずつにただそっと
アダムとイブが最初なら僕らは最後だ
二匹のマシンガン
アダムの罪がリンゴなら僕らはレコード
二匹のマシンガン
今夜も流れるしっかり流れる
悪魔は叫ばないささやいているだけ
ただそっと一人ずつ一匹ずつにただそっと
(二匹のマシンガン/ザ・ハイロウズ)
冒頭で書いた『背中を預ける』という言葉。
たぶん、初めてわかったのはこの時です。
そして走り出したバンド♪
当然、何もかもがうまくいくこともなく、挫折も味わいます(^^)
それは、また次回✨
ありがとうございました😊